エミリ4歳(アンパンマンが大好き)
アイルランドに住む幼なじみアユラとその娘エミリが2年ぶりに里帰り。
ジンギスカンパーティにお呼ばれした。
前に会ったときは宇宙語全開だったエミリもすっかり喋れるようになって、
日本語と英語でばっちり国際派お姫様になっていた。
その日はアユラの妹の息子たち(わんぱくぼんず3人)とその友達の娘さんも来ていて計5人の大騒ぎキッズ!
走り回ってはママたちに怒鳴られ、一瞬競歩になるがそれも3秒くらいのはなしでまた追いかけっこが始まる。
エミリがコースアウトしてママの耳元へ。なにやら英語で喋っている。
ママが訳す。
「私は白雪姫で、あとは7人のこびと。だってさ〜。」
白雪姫は早口で思いのたけをママに伝えて、7人(実際には4人)のこびとの輪の中に戻って行った。
英語を使ったのは、角が立たないように配慮したのかと深読みしたが
単に日本語でそれをしゃべることはまだできないとのこと。
そらそーだな、4歳でそこまで気がきくわけないもんな!
そんなに気がきくならまずこのセリフは飲み込むだろう。
ところが、アユラの弟(エミリにとって叔父さん)と飛行機に乗ったときエミリは、
「アタシとキスしたいんでしょ〜?ねえ、キスしたいんでしょ〜?」
と弟に詰め寄ったらしい。日本語で・・・
「ほんとこの子、女優きどりよ。悲劇とか大好き。演じてるの。」
とママがあきれる。
エミリはプラスティックのコップが気に入らない、私もグラスがいいと言って、台所のテーブルの足につかまって泣いていた。
まさに悲劇のヒロイン。
私はそれがかわいくって仕方なかった。
だって、それが許されるのはきっと今だけだ。だからどんなささいなことでも悲劇を見つけたら飛びつく。
女の子は誰しも許される場所で一度はお姫様になるのだ。はやく大人になりたいの。
そうはいかなくなる日がくるかもしれないなんて、それが大人になることだなんて、知らない。
なんていじらしいのかしら・・・
ずっとお姫様でいてエミリ。ほんとうの悲劇なんて味あわないで!
私がアユラと出会ったのは丁度エミリと同じ4歳のときだった。
一緒に幼稚園に通っていた。
ある日、お弁当作って交換しよう!ということになり、私は張り切って早起きしてお弁当を作った。
おかずとごはんを詰めて、もうどこにも余地はなかったんだけど、どうしても柿を詰めたいと思った。
柿を食べさせたい。と。それはもう誰にも止められない衝動だった。
悩んだ末、ごはんの上に柿を乗せた。そしてふたをしめた。
ちょっと罪悪感があった。
だって、ごはんと柿、合わない・・
アユラは一瞬え?って顔したけど全部食べてくれた。
いまさらだけどあの時はごめんね。と言ったら、アユラがなんのなんのと笑って、
「私は、小学生のとき、クラスちがうのにヨシコの誕生会に行って、私が加わったことでケーキが足りなくなって
ヨシコのケーキを半分わけてもらったを悪かったと思ってる」と言った。
そんなの覚えてないけど、私のことだからきっとちょっとムっとしたんだろうな!
エミリは私に似たのかもしれないな!
以下エミリが撮影した写真。子供芸術。
ガスコンロ
しめじ