歯医者に行ってきた。
よく噛まずに飲み込んでしまえば、その次の胃に負担がかかり、
そうしたら最後の腸ががんばるかといえばそううまくはいかず、
うんこになれなかった奴は腸の壁にへばりついて居座る。
そして栄養を吸収できなくなって肌が荒れたりするのだ。
消化機能とは神経質なチームプレイで、最初がダメだと最後までダメらしい。
内臓だけでなく、片方だけで噛んでいると噛み合わせが悪くなって、骨盤がゆがんで、頭痛がしたり皮膚がたるんだり、
とにかくすべてが歪んでしまうというから恐ろしい。
それらをわかっていても、歯医者には行きたくない。
子供の頃、歯医者の待合室から脱走して家に帰ったことがある。それくらい、大嫌い!
でも歯は痛いし、胃の調子も悪くなってきたので行ってみた。
「恐怖」の二文字を顔面に貼り付けて。
放置してたのは自分なのでひどい目にあう覚悟で挑んだものの、
ぜーんぜん痛くなかった!これはほんとに人生が変わるほどビックリなニュースだ。
麻酔でさえ、「え?もう終わったの?」ってくらいスバシッコイ作業だった。
サラリーマン風の先生の無駄の無い佇まいと丁寧な手ほどき、助手の方は唾液のスポイトがお上手!
受付のかたは、もたいまさこに似ている。
この歯医者は昔からあって何度かお世話になっていたが、しばらく行ってなかった。
ちがう歯医者には行ったことはあった。
新しくできた歯医者が人気ということで行ってみたが、そこがなぜ人気なのかはさっぱりわからなかった。
先生はとにかくがやがやうるさくてよく喋りいつでも痛くする、
女の子たちはやたら美人ばかりだったが、
みんな雑で何度も吐きそうになったことがある。
受付の人はいつも「忙しい歯医者なんだから」というあわてた口調だ。
先生は女の子たちを連れて近所の「なごやか亭」でお代官様をやってるという目撃情報をよく耳にした。
それはまーいいけどさ!バカ殿でもなんでもいいけどさ!
とりあえず、そこにはもう行きたくないと思ったのであった。
親子連れがたくさん居たけど、ここの歯医者が人気なのはたぶん子供にだけなのだろう。いわゆる子供だまし。
先生の妙に明るいかんじや大きな声や、女の子たちの派手さが、子供の恐怖をやわらげいるだけじゃないだろうか。
だって、子供は痛くされてもいろいろ知らないからそれが歯医者というものだって思うでしょう。経験的に。
雑とかへたっぴとかわかんないもの。
親が試してみてからじゃないと良いか悪いかは言ってはいけないよ。
あそこは絶対によくないってば!
ああ私はもう子供ではないんだなあ。
人気と評判のちがいを見定めたりしなくてはいけない。
もう脱走する勇気もないし、する必要もなくなった。
安心して大きな口をあけることができるのは豊かなことだ。
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