出鱈目

さっき、例の出目金ちゃんが、水の底でしーんと寝ているのを見た。
まるで大理石のようだった。綺麗だなあ・・・
も束の間、今見たら、ものすごい速さでヒレを動かしている。信じられないスピードだ!
しかし進んでいない!
なぜ?


それにしても一日中泳いでるって、すごい体力だなあ。
溺れないってすごいなあ!(私は完全なカナヅチ、ビート板ではどこまでもいく。)
人間はその体力がないから、そのぶん頭を使わなくちゃならないんだろうか。



いつか飲み会の席でおもしろいことを言った上司がいた。その名もケンシロウ
「魚を食べたら頭がよくなるってアレは出鱈目だ。人間に捕まってしまう魚はバカな魚で、
海には人間が絶対に捕まえることができないかしこい魚がいて、どこかで泳いでいる。」
この人はお酒が一滴も飲めない。
そういう人のユーモアにはかなわない。
も束の間、「ウーロン茶ですよ」と言ってウーロン茶に焼酎を入れて持っていったら普通に飲んだ。
そしてただの酔っ払いになった。
なーんだ。


そういえばこないだ新聞に、温暖化で溶けた北極の氷の中から新種の生物が発見されたという記事があった。
その新種の生物とは!脚が15本のヒトデ!ゼラチン質のホヤ!など・・・!
こわっ!
「熱いよう熱いよう、地球どうなってんだよう」
とへろへろになりながら頭から脇腹から脚が生えていくヒトデ、
「俺ってばホヤ!いつもオレンジ色の俺!でもなんだか最近ヘン!
体が透け透けやん!デロデロの俺ってば!今やホヤといえるのかYO!」
などと叫びながら色を失っていくホヤ・・・
想像して恐怖に震えていたら(ちょっとたのしかったけど)、
「新種と言っても元々存在してた生物が、氷が溶けたことで出てきただけじゃないか?」
という意見があって、少しほっとしたようなしないような。

このご時世どこでなにが起きているかわからない。
誰も知らない海の底で、誰にも捕まることなく、海のために生きて海のために死ぬ魚が必ずいると信じたい。