ハグルマハグルマやで

少しの隙間を狙ってゆっくりゆっくりと歯車が噛みあう。
悪化していく出来事に、悪者が居ないというのは切ない。
その暗い影のような日常の裏側に突然連れて行かれることに
運命など無いと思った。
ことが起きた側は目の前の受け入れがたい映像を
理解するために、こっちとあっちの境界線に佇み暴れて気づいて狂って
重くのしかかる時間と戦い、
それを知る側の恐ろしく受身な耳に届くのは一掴みの事実で
その深い時間までは想像できない。


物語に希望はなかったけど、それが隠れた人間のかたちだとしたら?
大切な人から離れてはいけない!
ごくごくシンプルに険しく胸に置いてないとやってらんない映画だったので
よかったのではないか。
歯車はいつかもとの場所に戻る。
希望はセルフサービスです。



日本の東京のシーンはあまりにもひどくて、本当に具合が悪くなった!
ちかちかフラッシュや次々現れる不細工な人のせいではなく
欲求不満に満ち満ちた演技!菊池凛子さんのせいですね。やりますね。
そしてケイト・ブランシェットが素晴らしかった。
血を流しながら鍋にするおしっこの音さえ綺麗だった。